短編小説

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一年一夜を百束ね、百番目の姫は語る1

 私が最後の一人なのだ。《語り姫》が私以外にもう誰も残っていない。百人もいた語り姫が、いまや私一人なのだ。 ついにこの日がやってきたが、怖いとは思わなかった。百年という時と百人で紡がれようとする壮大な物語の、結末を担うという感動もまだあまり…

「一年一夜を百束ね、百番目の姫は語る」目次

聞皇に物語りをして聞かせる語り姫。百人いた語り姫のその最後のひとりである“わたし”は、ついに自らの順番がやってきて聞皇のもとへ向かう。そこで語り、迎えた結末は…。初出 2019年5月5日(エブリスタ/三行から参加できる 超・妄想コンテスト「…

「断罪の火に、悪役令嬢は目覚める」目次

――なぜ私なの? 元男爵令嬢キャスリンは、火あぶりの刑に処されようとしていた。 罪状は“魔女”。ひたすら善き人間であろうと努力したが、“聖女”にすらずっと疎んじられ、ついに処刑台に立たされている。 キャスリンは助けを求め――一方、唯一優しく…

「聖女が異世界に残った理由」目次

異世界に召喚された結月は、聖女としての役目を終えてそのまま異世界に残ることにした。褒美になんでも与えると言われ、“アルシュ”を望んだ。彼こそが、結月が異世界に残る理由だった。一方通行にすぎぬ執着だとしても、軽蔑され憎悪されるとしても彼がほし…