「ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て」目次

お互いに思いあう婚約者であった、とある令嬢と一人の騎士。
だが美しい侯爵家の令嬢があらわれたことで騎士は元の婚約を破棄し、美しい令嬢と婚約した。
捨てられた令嬢は修道院に入った。

騎士が死したあと、捨てられた令嬢は後を追うように亡くなったが……。

初出 2020年 09月30日 (「小説家になろう」)

  • ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て1

     ――その日、一人の老嬢が死んだ。 かつての婚約者の訃報を聞き、後を追うように亡くなったという。 身の回りは綺麗に整頓され、遺書らしきものも残っていたため、自ら命を絶ったようだとされた。 老嬢は妙齢のころ、婚約者に裏切られ、疎まれて修道院に…

  • ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て2

     ただ何人かが、年頃の娘に特有の繊細さとか、緊張とか、慎みといったもののせいではないかと言っていました。当時の私は、そんなものなのかしらと思っていました。 熱を出したり寝込んだりはしましたが、それ以外の体調不良はなかったからです。 彼は、と…

  • ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て3

     私の中の一縷いちるの望みは、そのときに砕けたように思います。 預けられた修道院が立派で、静かに過ごすには最適であったのが、彼なりの餞別だったのでしょうか。 あるいは単に、私のご先祖さまと縁のある修道院だっただけなのかもしれません。 当時の…

  • ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て4

     元凶は私にありました。 私がまったく意図しない、望んですらいない形で。『あなたはかつて、原因不明の熱を出して伏せっていますね。実はその間に……《魔法》の力が発露していたらしいのです。このことは、ご両親と、彼しか知りません』 私は言葉を失い…