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傭兵となって帰ってきた青年は、幼なじみの少女に告げた。【IF】太陽に至る坂

「……では、書はこちらに」 わたしが言うと、今度の《太陽の御子》――ユージーンという男は少しためらい、気恥ずかしそうに文を渡した。《太陽の御子》は、遺書のようなものを残すことになっている。文字の書けないものは神殿の筆記係に口頭で伝え、言い残…

傭兵となって帰ってきた青年は、幼なじみの少女に告げた。1

「大昔からさ、この坂の上から太陽がよく見えたんだって。あ、昔は天然のやつだったんだって」 メエエ、と呑気な羊の声にまじって、もっと呑気にエミリーのやつが言った。「すごいよねえ。太陽って大昔は、天然のものがあって、そのまま空に浮かんでたんだっ…