ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て4
元凶は私にありました。 私がまったく意図しない、望んですらいない形で。『あなたはかつて、原因不明の熱を出して伏せっていますね。実はその間に……《魔法》の力が発露していたらしいのです。このことは、ご両親と、彼しか知りません』 私は言葉を失い…
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ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て3
私の中の一縷いちるの望みは、そのときに砕けたように思います。 預けられた修道院が立派で、静かに過ごすには最適であったのが、彼なりの餞別だったのでしょうか。 あるいは単に、私のご先祖さまと縁のある修道院だっただけなのかもしれません。 当時の…
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ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て2
ただ何人かが、年頃の娘に特有の繊細さとか、緊張とか、慎みといったもののせいではないかと言っていました。当時の私は、そんなものなのかしらと思っていました。 熱を出したり寝込んだりはしましたが、それ以外の体調不良はなかったからです。 彼は、と…
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ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て1
――その日、一人の老嬢が死んだ。 かつての婚約者の訃報を聞き、後を追うように亡くなったという。 身の回りは綺麗に整頓され、遺書らしきものも残っていたため、自ら命を絶ったようだとされた。 老嬢は妙齢のころ、婚約者に裏切られ、疎まれて修道院に…
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