短め(短編)

「ある令嬢と騎士の、悲しい恋の果て」目次

幼馴染で、お互いに思いあう婚約者でもあったある令嬢と騎士。だが一人の美しい令嬢が表れることで、騎士は婚約破棄し、幼馴染の令嬢を捨てた。幼馴染の令嬢は修道院に入り、長い時が経って騎士の訃報を聞いたが…|異世界恋愛・短編

強欲な女 -亡国の宝石妃-

 女は、いつでも微笑していた。 その豊かな髪は純粋な金。その穏やかな瞳は輝けるサファイア。悩ましげな、やや厚い唇はルビーをとかしこんだよう。肌の色は磨き上げた水晶のよう。歯と爪は真珠で出来て、すらりとした目鼻立ち、長いまつげは絹糸に琥珀をひ…

「婚約破棄も追放もされた元聖女ですが、料理で人助けができるようです~食いしん坊オオカミと狩りからはじめる魔物料理~」目次

落ちこぼれ聖女のフィアルカは、特別な料理を作れることで役に立っていた。だが濡れ衣を着せられ、婚約破棄され、追放されてしまう。相棒の巨大狼と一緒に国境を越えようとする最中、ある青年と出会う。青年はいきなり倒れてしまい、フィアルカはなりゆきで助けることになるが…

「傭兵となって帰ってきた青年は、幼なじみの少女に告げた。―坂の下で別れる前に―」目次

ユージーンは故郷の村を飛び出したが、成長して傭兵となり帰ってきた。 彼には、いつも世話を焼いていた幼なじみのエミリーがいた。 戦場をくぐり抜けるたび、思い出すのはなぜかこのエミリーだった。 そのエミリーと再会し、二人で、ある晴れた日に、のど…

わたくしの美しい姉の事

 わたくしの事……でございますか? わたくしの、姉ではなく? 何とまあ、異なことを仰る。  お気持ちは嬉しく思います。しかしわたくしはこの様に、到って平凡な、つまらぬ女なのでございます。 美しい姉の、妹。姉と異なり、特筆すべき処など何一つ無…

「断罪の火に、悪役令嬢は目覚める」目次

――なぜ私なの? 元男爵令嬢キャスリンは、火あぶりの刑に処されようとしていた。 罪状は“魔女”。ひたすら善き人間であろうと努力したが、“聖女”にすらずっと疎んじられ、ついに処刑台に立たされている。 キャスリンは助けを求め――一方、唯一優しく…