「断罪の火に、悪役令嬢は目覚める」目次

――なぜ私なの? 元男爵令嬢キャスリンは、火あぶりの刑に処されようとしていた。 罪状は“魔女”。ひたすら善き人間であろうと努力したが、“聖女”にすらずっと疎んじられ、ついに処刑台に立たされている。 キャスリンは助けを求め――一方、唯一優しくしてくれた伯爵家の青年ラッセルが駆けつけようとしていた。
初出 2018年 10月25日~2018年 10月26日(「小説家になろう」)

  • 断罪の火に、悪役令嬢は目覚める1

     ――なぜ……なぜこんなことに……。 キャスリンは青ざめた唇を震わせた。 衝撃が過ぎ去ったあとは、太陽が出ているにもかかわらず体中に霜が張ったような冷たさに苛まれた。 それは、自分の体を包むものが粗末な麻のワンピース一枚だからというだけでは…

  • 断罪の火に、悪役令嬢は目覚める2

     ――キャスリンが処刑される。 その報せを聞いたとたん、ラッセルは商館を飛び出し、馬に跨がっていた。 昼の往来を駆け抜ける。通行人を蹴散らす勢いの人馬に、人々は悲鳴をあげて逃げ惑った。(馬鹿な! 早まったか……っ!!) ラッセルは歯噛みした…

  • 断罪の火に、悪役令嬢は目覚める3

     泣いても喚いても、変わらなかった。 キャスリンの体は押し上げられ、両腕を開かされて十字架の横棒に縛り付けられた。 縦棒には首を、胴を、足首を縛り付けられる。きつく縛り上げられ圧迫され、吐き気がこみあげてくる。 足のすぐ下は山のような藁で埋…

  • 断罪の火に、悪役令嬢は目覚める4

     かつての自分のように怯え震えるその声に、キャスリンは微笑した。「ええ、そうよ。お前達が望んだもの。お前達がそうあってほしいと望んだものよ」 憐れみさえこめて応じ、キャスリンは気怠く髪をかきあげた。 その仕草でさえ、吐息の一つさえ、どこか艶…

 

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